tkenichi の日記

毒舌皮肉系恥さらし日記

Math

リーマン計量の差の変分3

連続体力学の概念とリーマン幾何の概念の対応を考えてみる。をリーマン多様体の間*1の微分同相写像とする。この写像は等長的(すなわち)であることは仮定せずに、等長的なものからどれくらい離れているかを考える。接ベクトル束に定義される微分写像を とす…

リーマン計量の差の変分2

前回の続き。まずは記号の定義。 をリーマン多様体、をコンパクト多様体からのはめ込みとする。はめ込みで誘導されるリーマン計量をとする。に定義されるLevi-Civita接続は、以下を満たす接ベクトル束の接続である。をによる共変微分という。 のリーマン計量…

リーマン計量の差の変分

自分なりの回答にはまだたどり着いていないのだけれど、問題の動機づけとその整理をしておく。をリーマン多様体、をコンパクト多様体からのはめ込みとする。はめ込みで誘導されるリーマン計量をとする。にもともと与えられているリーマン計量をとする。はめ…

曲げのエネルギー

曲面の曲げのエネルギーは平均曲率の2乗を積分したものとして与えられる。 平均曲率は第二基本形式の固有値の平均値と定義されるが、幾何学的には曲面を法線ベクトル方向に膨らませたときに変化する曲面の面積の1次微分である。2次微分がガウス曲率とみなせ…

多面体を三角形分割3.1

多面体の三角形分割から導かれる簡単な系。トーラス結び目 で のものについては、 の多角形表示が存在することが知られている。はいわゆる Trefoil Knot で、6角形表示がある。 T(4,3) - Knot Atlas は8角形表示がある。この種数は3であり、その種数を与える…

多角形を三角形分割3

多角形を三角形分割 - tkenichi の日記 の多角形の三角形分割の表を久しぶりに更新する。多様体かどうかを判定するアルゴリズムを見直して少し速くなった。 オイラー数 向きづけ可能性 3 4 5 6 7 8 9 一般形 1 T 1 2 5 14 42 132 429 カタラン数 http://oeis…

組み合わせ三角形ポリゴンの判定アルゴリズム(1)

2次元の有限単体的複体を考える。頂点集合を自然数で番号付けして、三角形の集合と考えると、相異なる3つの自然数の組の集合と考えることができる。 四角形の頂点を 0,1,2,3 とすると、三角形分割して単体的複体とみなすと である。次の条件を判定するできる…

方程式で定義された曲面の曲率

通常、曲面の曲率はパラメータ表示が与えられた時の式で与えられているが、実際の曲面は方程式としてあらわされることが多い。そこで、方程式が与えられているときの曲率の計算式をまとめておこう。関数 が与えられているとき、方程式 で表される曲面の曲率…

衝突の復習

古典物理学で衝突を記述する場合、重心座標系で考える場合が多いが、鏡映変換のアイディアを用いると比較的わかりやすい。鏡映変換とは、 に直交する平面を鏡として、鏡に映る像を与える写像である。 が単位ベクトルの時には、より単純に と書ける。それぞれ…

運動量の復習

シンプレクティック多様体 にリー群 が を保つように作用しているとする。運動量写像とは からリー環の双対 への写像 であって、 同変かつ、リー環の元 に対して、 と置くとき、 が成り立つものをいう。ただしここで はリー環の基本ベクトル場である。 後半…

振り子と楕円関数

単振り子は振幅が大きくないときには、単振動とみなすことができると考える。振幅が大きいときは楕円関数で記述され、周期は完全楕円積分で表すことができる。以下に簡単にまとめておく。 単振り子の運動方程式の導出 長さlの糸の先に質量mのおもりをつける…

最小交叉数6の結び目

WebGLで結び目を描くことの続き。すべて12の辺で表現し、上から順に14個、18個、18個の三角形でザイフェルト曲面を表現している。これは結び目の種数を与えるザイフェルト曲面でもある。 隣接する三角形が重ならないようにするには、どの4個の頂点をとっても…

最小交叉数5以下の結び目

WebGLで結び目を描くことの続き。ダブルクリックすると、結び目とザイフェルト曲面が切り替わります。 いわゆるクローバー結び目(Trefoil knot) 最小交叉数が5の結び目

Figure Eight 結び目

8の字結び目を折れ線で表現したときのザイフェルトポリゴンを表示するのに WebGL を試してみた。 予想以上に使いやすいし、速度もそれほど遅くない。

穴あき曲面の展開

閉曲面(いわゆる境界のないコンパクトな曲面)の分類はよく知られていて、曲面に切れ目を入れて展開した多角形を張り合わせることで表現することができる。向き付け可能な場合は球面またはg個のトーラスの連結和として表すことができ、多角形の張り合わせで…

多角形を三角形分割2

平面上の多角形の三角形分割を列挙するプログラムを作成してみた。先日の記事で紹介したような拡張された三角形分割ではなく、総数がカタラン数で与えられるような三角形分割である。 def catalanEach(ary) case ary.size when 2 yield [] when 3 yield [ary…

多角形を三角形分割

四角形を三角形に分割する方法は2通り、5角形を三角形に分割する方法は5通りある。この個数は一般にカタラン数というもので与えられ、一般にn+2角形を三角形に分割する方法は 通りである。さて、実は上の定義は平面上における凸多角形の三角形分割の個数であ…

最小コストな路線ネットワーク

次のような問題を考えよう。 まだ鉄道が敷かれていない複数の駅を連結するような最小の路線ネットワークを作る。このとき、それぞれの駅間を線路でつなぐためのコストが与えられているとして、最小のコストで実現できる路線ネットワークは何か? 駅を頂点、…

穴の個数を数える

入力としてデジタル画像を与えて、色がついていないところを穴として、いくつあるかを数えるソフトウェアはあるだろうか?2次元図形の穴の個数を数えるということは、ホモロジー群を計算するということである。計算ホモロジーという分野が最近発展しているら…

6つの辺からなる閉じた折れ線が三葉結び目になる条件(2)

前回説明した内容の補足である。 ここでは常に と がホップ絡み目 と がホップ絡み目 と がホップ絡み目 が同時に成り立つ場合を考えることにする。 補題1 と は2成分の自明な絡み目である。 補題2 ホップ絡み目 のザイフェルト曲面 は \triangle P_2 P_4 …

6つの辺からなる閉じた折れ線が三葉結び目になる条件

たぶん正しいと思うので、はじめに結果を書いてしまう。 3次元空間内の6点を結んでできる閉じた折れ線が 三葉結び目になる必要十分条件は と がホップ絡み目 と がホップ絡み目 と がホップ絡み目 の3つが同時に成り立つ場合である。 必要条件は、対偶を考え…

State Complex

もともとはロボットアームの状態遷移を記述するためのものだったと思われるが、意外と応用がありそうなものに Configuration Space と State Complex と呼ばれる概念がある。グラフの場合に特化して、簡単に要約してみる。グラフ G があるとする。向きはつい…

Helly の定理

離散幾何の有名な定理で Helly の定理というのがある。 の m 個の凸集合について、任意の n+1 個の部分族の交わりが非空ならば、すべての交わりも非空である。逆は自明なので、以下が言える。 Helly の定理 この証明をいくつか探しているうちに、Homology を…

クーポンコレクター問題

クーポンコレクター問題とは、n種類のクーポンがランダムに入っている商品について、全部そろえるにはどれくらい買えばよいか、という問題である。キャラクターグッズのおまけをそろえたりする場合を考えればわかりやすいだろう。n種類のクーポンがすべて同…

Newton-Raphson 法の収束の速さ

Newton-Raphson法は収束する場合は速いが、収束しない場合もある。どんな場合に収束しないのか、また収束の速さはどれくらいのものかを調べてみることにする。 実験として、 を x=0 を初期値として Newton=Raphson 法で求めるときの収束回数を調べて a,b と…

Normal Curve について

スライド埋め込み機能を使ってみた。

余次元1のRayleigh商

階数1の行列で摂動したときの固有値の変化についてはすでに述べたので、今度は余次元1の射影の場合を考える。摂動の場合は行列の足し算であり、射影によって行列は射影行列の相似変換になるので、同じような議論ができるわけではない。ほとんど初歩的な計算…

階数1の行列で摂動

固有値の摂動の話の続き。今度は固有多項式を扱う。まず最初に準備から。 補題1 A を階数が1のn次元対称行列とする。このとき、 が成り立つ。 補題2 A を階数が1のn次元対称行列とする。このとき、あるn次元単位ベクトル v で とかける。 固有値が既知の n…

固有値の評価

対称行列の部分空間に関する断面 の問題1のための準備として、対称行列の固有値を評価するためのいくつかの基本的な道具を紹介する。まず最初は Bauer-Fike の定理。 定理(Bauer-Fike) 行列 A の固有値をλとし、それを対角化が与えられている行列 の固有値…

対称行列の部分空間に関する断面

Rayleigh 商と Schur Complement をつなげるような話。 定義 実 n 次元空間の中の m 次元部分空間の正規直交基全体からなる Stiefel 多様体 実 n 次元空間の中の m 次元部分空間への射影作用素全体からなる Grassman 多様体 射影は で与えられる。 射影作用…

Schur Complement

ブロック行列に関する Schur Complement について、日本語での説明は少ないので簡単にまとめておく。 (p+q)次正方行列 M をブロックに分けて とする(Aはp次正方行列、Bはp行q列、Cはq行p列、Dはq次正方行列)。Aが非退化のとき、MにおけるAのSchur Compleme…

エキゾチックな球面

エキゾチックな球面 (ちくま学芸文庫)作者: 野口廣出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2010/08/09メディア: 文庫 クリック: 17回この商品を含むブログ (11件) を見る40年以上の前のもはや古典といえる内容なのだけれど、今読んでもわくわく感は失われていない…

Rayleigh商 を増やす方向

もう少しこの話にお付き合いください。復習(記号を少し変えた)。実n次元空間のm次元直交基全体からなるStiefel多様体を とする。直交基が張る部分空間上に実対称行列 を縮退した行列 のRayleigh商は となる。 の固有値を求めるときに、Rayleigh商のについ…

Grassmann への射影

Courant の min-max 原理の話の続き。数値計算の教科書に書いていることを幾何的に言い直してみるために、ちょっと準備(というか自分の記憶をたどって復習)。n次元空間の中のk次元部分空間を表すのに、k次元の直交基をn行k列の行列と考えて、Stiefel 多様…

Courant の min-max 原理を見直してみる

n次実対称行列Aの固有値をとする。Rayleigh 商をとおいたときに、 がいわゆる min-max 原理である。ここで最初の最大、最小をとるのは、n次元ベクトル空間のk次元部分空間なので、Grassmann 多様体上の最大、最小と考えてよい。ここではもう少し明示的に、部…

等スペクトル

ラプラシアンの幾何と有限要素法 (朝倉数学大系)作者: 浦川肇出版社/メーカー: 朝倉書店発売日: 2009/10メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログを見るこの本にインスパイアされて、ほんとに等スペクトルか確かめてみたくなりました。 いわゆる…

素数の画像

昔作った懐かしい画像が出てきたので貼っておこう。

数学を生み出す魔法のるつぼ

数学を生み出す魔法のるつぼ ―実験数学への招待 (O’Reilly math series)作者: Jonathan Borwein,Keith Devlin,伊知地宏出版社/メーカー: オライリージャパン発売日: 2009/12/28メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 20回この商品を…

グラフのラプラシアンの復習

昔やっていたことを復習して、今関心を持っていることに結びつける。点と線からなるグラフGについて、隣接行列をA、対角成分に点の次数を並べた行列をDとすると、D−Aを組み合わせ論的なGのラプラシアンという。 Gをn個の点からなるとき、i 番目の点…

数え上げた

言語のマニュアルを見るのは、たまにしかやらないので見逃していた。 Ruby の Array クラスには combination と permuation が定義されていた。 数え上げよう(組合せ編) - tkenichiの日記 は忘れてください。 [0,1,2,3,4].combination(2) do |c| p c end …

マトロイド(4)Transversal Matroid

二部グラフのマッチングマトロイドと対応がつく Transversal Matroid と言う概念がある(したがって一般のマッチングマトロイドよりも狭い概念)ので簡単に説明。今までの例と違って、慣習的に元となる有限集合を とする。 の部分集合の族を とする。 の部分…

マトロイド(3)二部グラフ

マトロイドの次の例としてマッチングマトロイドを説明しようかと思ったのだが、その前に二部グラフと(グラフの)マッチングを説明しておいた方がよさそう。二部グラフとはグラフ の頂点の集合 を2つに分割して、どの辺の端点もそれぞれ別の集合に属するよ…

マトロイド(2)

有限集合 とその部分集合族 の組 がマトロイドになる例。 一番簡単なものは があるベクトル空間の有限部分集合、 が一次独立な部分集合の全体。 すると、マトロイドの定義における最初の二つは自明で、最後は が一次独立で のときに、 に含まれるベクトル で…

マトロイド(1)

直接仕事と関係ないことを趣味で学習するのは楽しい。プログラミング言語とか、数学や物理の概念とか研究とまではいかなくても、概観を得て最先端で何が面白いのかを理解するところまで学ぶことができると楽しい。最近そういうのに飢えていたので、何かいい…

セクシーな数学

セクシーな数学―ゲーデルから芸術・科学まで作者: グレゴリー・J・チャイティン,黒川利明出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2003/07/30メディア: 単行本 クリック: 45回この商品を含むブログ (25件) を見るアルゴリズム的情報理論のチャイティン氏のインタビ…

数学最前線を担う挑戦者たち

数学最前線をになう挑戦者たち―難問の解決、ゲーム理論の展開 (数学を切りひらいた人びと)作者: マイケル・J.ブラッドリー,Michael J. Bradley,松浦俊輔出版社/メーカー: 青土社発売日: 2009/05メディア: 単行本 クリック: 11回この商品を含むブログ (5件) …

最適化の数理 -応用数理の視点

東京大学 講義 加藤和也教授 UT OpenCourseWare東京大学が学術俯瞰講義を Podcast で公開しているというので、通勤時間中に聞いてみた。試しに聞いてみたのは離散凸解析で有名な室田先生の「4.最適化の数理-応用数理の視点」。純粋数学過ぎずに、数学と工学…

数え上げよう(順列編)

順列を数え上げる場合、n個の置換を生成する関数を作って、組み合わせを生成する関数から呼ぶことにする。手抜きですね。 require "Combination" class Permutation def Permutation.each(ary) case ary.size when 1 yield ary when 2 yield ary yield ary.r…

数え上げよう(組合せ編)

順列・組み合わせは高校数学でも出てくるし、パズル的な問題でも応用範囲が広いのだから、もっとプログラミングのネタとしても取り上げられてもいいと思うんだけどな。配列と if と for がわかればできるし。というわけでこの手の個数を数えるものについて、…

計算しない数学、計算する数学

計算しない数学、計算する数学 ~ホントの数学は自分の中にある (知りたい!サイエンス)作者: 根上生也/桜井進出版社/メーカー: 技術評論社発売日: 2007/09/29メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 4回この商品を含むブログ (4件) を見る「計算しない数…