Math
ブロック行列に関する Schur Complement について、日本語での説明は少ないので簡単にまとめておく。 (p+q)次正方行列 M をブロックに分けて とする(Aはp次正方行列、Bはp行q列、Cはq行p列、Dはq次正方行列)。Aが非退化のとき、MにおけるAのSchur Compleme…
エキゾチックな球面 (ちくま学芸文庫)作者: 野口廣出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2010/08/09メディア: 文庫 クリック: 17回この商品を含むブログ (11件) を見る40年以上の前のもはや古典といえる内容なのだけれど、今読んでもわくわく感は失われていない…
もう少しこの話にお付き合いください。復習(記号を少し変えた)。実n次元空間のm次元直交基全体からなるStiefel多様体を とする。直交基が張る部分空間上に実対称行列 を縮退した行列 のRayleigh商は となる。 の固有値を求めるときに、Rayleigh商のについ…
Courant の min-max 原理の話の続き。数値計算の教科書に書いていることを幾何的に言い直してみるために、ちょっと準備(というか自分の記憶をたどって復習)。n次元空間の中のk次元部分空間を表すのに、k次元の直交基をn行k列の行列と考えて、Stiefel 多様…
n次実対称行列Aの固有値をとする。Rayleigh 商をとおいたときに、 がいわゆる min-max 原理である。ここで最初の最大、最小をとるのは、n次元ベクトル空間のk次元部分空間なので、Grassmann 多様体上の最大、最小と考えてよい。ここではもう少し明示的に、部…
ラプラシアンの幾何と有限要素法 (朝倉数学大系)作者: 浦川肇出版社/メーカー: 朝倉書店発売日: 2009/10メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログを見るこの本にインスパイアされて、ほんとに等スペクトルか確かめてみたくなりました。 いわゆる…
昔作った懐かしい画像が出てきたので貼っておこう。
数学を生み出す魔法のるつぼ ―実験数学への招待 (O’Reilly math series)作者: Jonathan Borwein,Keith Devlin,伊知地宏出版社/メーカー: オライリージャパン発売日: 2009/12/28メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 20回この商品を…
昔やっていたことを復習して、今関心を持っていることに結びつける。点と線からなるグラフGについて、隣接行列をA、対角成分に点の次数を並べた行列をDとすると、D−Aを組み合わせ論的なGのラプラシアンという。 Gをn個の点からなるとき、i 番目の点…
言語のマニュアルを見るのは、たまにしかやらないので見逃していた。 Ruby の Array クラスには combination と permuation が定義されていた。 数え上げよう(組合せ編) - tkenichiの日記 は忘れてください。 [0,1,2,3,4].combination(2) do |c| p c end …
二部グラフのマッチングマトロイドと対応がつく Transversal Matroid と言う概念がある(したがって一般のマッチングマトロイドよりも狭い概念)ので簡単に説明。今までの例と違って、慣習的に元となる有限集合を とする。 の部分集合の族を とする。 の部分…
マトロイドの次の例としてマッチングマトロイドを説明しようかと思ったのだが、その前に二部グラフと(グラフの)マッチングを説明しておいた方がよさそう。二部グラフとはグラフ の頂点の集合 を2つに分割して、どの辺の端点もそれぞれ別の集合に属するよ…
有限集合 とその部分集合族 の組 がマトロイドになる例。 一番簡単なものは があるベクトル空間の有限部分集合、 が一次独立な部分集合の全体。 すると、マトロイドの定義における最初の二つは自明で、最後は が一次独立で のときに、 に含まれるベクトル で…
直接仕事と関係ないことを趣味で学習するのは楽しい。プログラミング言語とか、数学や物理の概念とか研究とまではいかなくても、概観を得て最先端で何が面白いのかを理解するところまで学ぶことができると楽しい。最近そういうのに飢えていたので、何かいい…
セクシーな数学―ゲーデルから芸術・科学まで作者: グレゴリー・J・チャイティン,黒川利明出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2003/07/30メディア: 単行本 クリック: 45回この商品を含むブログ (25件) を見るアルゴリズム的情報理論のチャイティン氏のインタビ…
数学最前線をになう挑戦者たち―難問の解決、ゲーム理論の展開 (数学を切りひらいた人びと)作者: マイケル・J.ブラッドリー,Michael J. Bradley,松浦俊輔出版社/メーカー: 青土社発売日: 2009/05メディア: 単行本 クリック: 11回この商品を含むブログ (5件) …
東京大学 講義 加藤和也教授 UT OpenCourseWare東京大学が学術俯瞰講義を Podcast で公開しているというので、通勤時間中に聞いてみた。試しに聞いてみたのは離散凸解析で有名な室田先生の「4.最適化の数理-応用数理の視点」。純粋数学過ぎずに、数学と工学…
順列を数え上げる場合、n個の置換を生成する関数を作って、組み合わせを生成する関数から呼ぶことにする。手抜きですね。 require "Combination" class Permutation def Permutation.each(ary) case ary.size when 1 yield ary when 2 yield ary yield ary.r…
順列・組み合わせは高校数学でも出てくるし、パズル的な問題でも応用範囲が広いのだから、もっとプログラミングのネタとしても取り上げられてもいいと思うんだけどな。配列と if と for がわかればできるし。というわけでこの手の個数を数えるものについて、…
計算しない数学、計算する数学 ~ホントの数学は自分の中にある (知りたい!サイエンス)作者: 根上生也/桜井進出版社/メーカー: 技術評論社発売日: 2007/09/29メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 4回この商品を含むブログ (4件) を見る「計算しない数…
数式を読みとくコツ―「数式は哲学だ」と割り切ってみよう作者: 杉原厚吉出版社/メーカー: 日本評論社発売日: 2008/02メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 15回この商品を含むブログ (5件) を見る数学専攻ではない理系の大学初年度生向けに書かれた本。『「…
ブルバキとグロタンディーク作者: アミール・D・アクゼル,水谷淳出版社/メーカー: 日経BP社発売日: 2007/10/18メディア: ハードカバー購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (14件) を見るかつての数学少年はこの物語を久しぶりにわくわくして読んだ…
ポアンカレ予想を解いた数学者作者: ドナル・オシア,糸川洋出版社/メーカー: 日経BP社発売日: 2007/06/21メディア: 単行本 クリック: 53回この商品を含むブログ (44件) を見るペレルマンに焦点を当てた話かと思いきや、ユークリッドから現代まで続く幾何学の…
とは、正則閉曲面上でガウス曲率を面積分するとオイラー標数の2Π倍になるという 有名な公式。三角形分割された曲面でこの公式を証明しようとすると、普通は三角形ごとに積分を計算して足し合わせる。この場合はそれぞれの三角形が曲がった面だから、実際に…
2007-11-10 - tkenichiの日記 で1辺が同じ長さのときの正多面体の「大きさ」の比較の話を紹介しましたが、正12面体が一番「大きい」。これは視覚化すればほぼ自明です。一方、半径が一定の球に内接する正多面体の大きさを比較すると?今度は結果は自明で…
基礎数学力トレーニング―Nの数学プロジェクト作者: 根上生也,中本敦浩出版社/メーカー: 日本評論社発売日: 2003/10メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 15回この商品を含むブログ (5件) を見る題名から高校数学や大学初年級の数学のドリルのようなものを想…
数を三角形に並べたものはパスカルの三角形が有名だけど、数列で有名なフィボナッチの名前がついた三角形もあるらしい。 1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 31 33 35 37 39 41 43 45 47 49 51 53 55 正の奇数を順番に並べたものだけれども、k 番目の…
異端の数ゼロ―数学・物理学が恐れるもっとも危険な概念作者: チャールズサイフェ,Charles Seife,林大出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2003/10メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 23回この商品を含むブログ (35件) を見る有名な「零の発見」と同様に、数…
数理と社会―身近な数学でリフレッシュ作者: 河添健出版社/メーカー: 数学書房発売日: 2007/01メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (1件) を見る慶應義塾大学の文系1年生向けの数学科目のテキスト。教科書らしく、14のテーマがそれぞれ10ペー…
整数の分割作者: ジョージ・W.アンドリュース,キムモエリクソン,George W. Andrews,Kimmo Eriksson,佐藤文広出版社/メーカー: 数学書房発売日: 2006/05メディア: 単行本 クリック: 7回この商品を含むブログ (5件) を見る若かりしころは、がちがちの抽象的な…