偶然からモノを見つけ出す能力
偶然からモノを見つけだす能力―「セレンディピティ」の活かし方 (角川oneテーマ21)
- 作者: 沢泉重一
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2002/08
- メディア: 新書
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セレンディピティと呼ばれる表題の能力についての紹介。本書の中でもたくさん紹介されているように、古今東西、偶然から生まれた発明発見は数多い。偶然の中から察知する能力が、価値のある発明発見を生むという。そのこと自体は誰しも多かれ少なかれ感じていることだから、共感できるものも多いだろう。そういう能力はどのようにして生まれるのか、どのようにして訓練していけばいいのか、がわかるものと期待して読んだ。
結果は期待はずれ。エピソードや寓話の紹介ばかりで、エピソードについても初めて聞くものでもわかるぐらい詳細に紹介されていればいいのだが、どうも中途半端。エピソードを紹介する順番も意図がよくわからないものが多い。能力に関する説明も、事例というか体験談が主で、科学的な分析はほとんどなされていない。7章に簡単なハウツウは紹介されているのだが、目新しいところはなく、肝心なところは具体的な説明がなくはぐらかされてしまった感じ。
どうも著者が今までに集めたセレンディピティについての資料を無理やり詰め込んだ感がしなくもないが、いろいろな分野に話が脱線しながらもそこから偶然を見つけて、何かを察知してほしいというのがこの本の意図なら、私にはできなかったということかもしれない。残念。