スマートモブズ
- 作者: ハワード・ラインゴールド,公文俊平,会津泉
- 出版社/メーカー: NTT出版
- 発売日: 2003/08
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 12回
- この商品を含むブログ (34件) を見る
スマートモブとは、携帯電話やPDAなどで無線でネットとつながることのできる機器を持った個人が、たとえ知らない人同士でさえも協調して、社会の大きな潮流、または秩序となるような状況のことを言う。
著者のラインゴールド氏は情報社会のビジョンを鋭く提示するジャーナリスト。いや、ジャーナリストと言うよりもむしろ学者かな。1990年代はバーチャルリアリティに関心を持っていた。
渋谷で携帯でメールをしている若者達を見て何を感じるか。ラインゴールドはそこからモバイルインターネットの未来像、人々の協力のあり方の変化、パーベイシブコンピューティングの萠芽、およびこれらから生じ得る危険性まで幅広い議論を展開している。
興味を持った点、刺激を受けて考えてみたいところを列挙
- インターネットにおける協力行動についてのゲーム理論による説明
- モジョ・ネーション
- スマートダストが地球を覆ってしまったときに世界はどう変わるか
- 私利と共有資源との間の「調整問題」
- スマートモブ技術の社会的インパクトで、社会契約のあり方は変わるか
英語版が出版されたのが2002年。すでに陳腐化した技術や終了したサービスについても記述もあるが、それは御愛嬌。小さなトピックやエピソードも考えさせられることが多く、最近のギークたちのブログで取り上げられるテーマともかなり重なる。それを3年前に考えていたと言うのだから、ラインゴールド、おそるべし。