ベン・バーナンキ世界経済の新皇帝
- 作者: 田中秀臣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/01/20
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 55回
- この商品を含むブログ (27件) を見る
FRBの議長になったバーナンキの解説本。彼の今までの言説、アカデミックな基盤を簡潔に説明し、今後どのように舵取りをしていくのかを予想する。
経済学はまじめに勉強していないので、バーナンキのことはインフレターゲット政策を唱えている人、ぐらいの認識しかなかった。日本に対してはかなり厳しい対応をするだろう、とか。
第2章の『「バーナンキ経済学」のエッセンス』はちょっとしたマクロ経済学の復習だが、グラフも用いて、基本的なことも詳しく説明しながら、バーナンキの主張であるインフレターゲット論が財政政策や金融政策でコントロール可能であることを示していく。「低いインフレ期待」という心理的なものに働きかけるというのは、物理で言うと位置や速度ではなくて加速度で物体をコントロールするような感じかな。
第3章では日銀の金融政策をばっさりと切り捨てる。金融政策ではなく構造改革によって平成不況を克服しようとしたのは、怠慢であると。デフレを引き起こしたのは間違いであると。バーナンキのニューケインジアンとしての立場を明らかにして、対案を提示。
最後の第4章で実務家として、袋小路に陥ってしまった日本経済を立ち直らせるための処方箋を紹介。
全体としては面白いが、経済学の素養がないので難しかったです。マクロ経済学の一般論を言っているのか、バーナンキの主張を言っているのか、区別がよくわからなかった。なので、とんでもない読み違いをしている可能性も。もうちょっと勉強します。