tkenichi の日記

毒舌皮肉系恥さらし日記

CNET の先端研 blog でスケールフリーネットワークが紹介されている

http://blog.japan.cnet.com/sentan/archives/002672.html

影響力の強い CNETスケールフリーネットワークが取り上げられているのはうれしいことなのだと思うけど、スケールフリーネットワークの「定義」とバラバシ・アルバートのモデルをごっちゃにしているのは残念。スケールフリーネットワークが形成される方法はこれだけではない、と思う。

スケールフリーとは、大多数のノードにはほとんどリンクされず、少数のノードに膨大なリンクが集まる、という構造です。

一般向けにはこういう説明でいいのかもしれないけれど、これでは「スケール」が「フリー」なことがよくわからないですよね。あえて駄文で対抗するならこんな感じ。

スケールフリーとは、その系を特徴付けるような尺度(スケール)がない(フリー)ということ。ネットワーク構造の場合には、ノードへのリンクの本数の分布がベキ則を満たす場合に、リンクの本数を特徴付ける尺度がないため、スケールフリーと言う。

「ベキ則」を説明しないと意味ないかな。そうすると、CNET の文章が簡潔という点では洗練されているのかもしれない。

特徴付ける尺度がないことと、(指数分布、Cauchy分布などではなくて)ベキ則に従うということの間には、本当はもう少し説明が必要なような気がするけど、うまい説明を見たことがない。