ビューティフル・ゲーム
- 作者: ケンブレイ,Ken Bray,近藤隆文
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2006/04
- メディア: 単行本
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副題が「世界レベルのサッカーを科学する」。昔からスポーツ関連のデータを見たり、計算して遊んだりするのが大好きだったので、とても面白く読めました。W杯を観戦する前に読むと特によいかもです。
私はあまりよく知らなかったサッカーの歴史的な話から始まります。第2章は1953年のイングランド対ハンガリーの親善試合をめぐるフォーメーションの革命の話。サッカーのシステムがどのように進化して現在の4−4−2や3−5−2が主流になったのかを、可能なパスのコースの数など理論的に、また実際の試合の結果から統計的に、説明していてとても面白い。これを読んでおけばちょっと知ったかぶりできますよ。
第3章、ここがこの本の一番の核心。フリーキックにおいてスピンをかけると、どうしてあのような弾道になるのか、スピン(特にトップスピン)をかけるのがいかに難しく、それに反していかに威力があるのかについて。
後半はスポーツサイエンスの手法や心理学的側面、キック、ヘディング、スローイン、セットプレーなどのそれぞれについての詳しい分析。フリーキックに対する壁の理論的な枚数の考察とか、PKのコースに関する分析など。
事例となっているデータが2005年のCLだったり、2004年のEUROだったり、2002年のW杯だったりと、記憶に比較的残っている試合を分析してくれているのも楽しめた理由のひとつ。うんちくデータの宝庫です。