tkenichi の日記

毒舌皮肉系恥さらし日記

よくわかる u-Japan 政策

よくわかるu‐Japan政策―2010年ユビキタスネット社会実現のための工程表

よくわかるu‐Japan政策―2010年ユビキタスネット社会実現のための工程表

最近 NTT が IT から ICT へなんて広告を出しているけど、なぜ急にそんなことを言い出したのかと言うと、国の政策 u-Japan でのキーワードになっているからなんですね。

と言うわけで、この本。総務省の政策懇談会がまとめた工程表で、2010年までにどういうことをめざすのか、口を悪くして言うと、2010年までに u-Japan の名の下にどういう業界に税金が投入されるかが書いてあります。当然今までにやってきた e-Japan 戦略については礼賛しているし、ユビキタスネットワーク技術による ICT が、山積している日本の課題を解決する切り札だ、なんてびっくりするほど楽観的に書いてあります。ところどころ Power Point で描かれたような絵もちりばめられて、企画書はこのように書くべしというお手本のようなもの。

技術的には確かにこれから旬となるはず(もうすでになっている?)の、無線ネットワーク、電子タグ、情報家電、GIS、情報セキュリティ、なんていう言葉があちこちに出てきて、ちょっとした情報系の技術雑誌を読んでいるような気分になるが、市場に任せずに国として解決しなければならないことは何か、と言うことはあやふやなまま。役割分担のところで、環境整備だとか、制度の見直し、啓発、なんて言葉が「官」のところに書いてあるけど、それって行政の「普段の」仕事なんじゃないのかなー、なんて思ったりしたのでした。

と悪態をついてはみたものの、情報産業が進む方向を示していることは間違いないので、さらっと眺めてみるぐらいの価値はあると思います。