tkenichi の日記

毒舌皮肉系恥さらし日記

5点から作る3角形の面積に関する公式(証明編)

まず、面積は平行移動しても変わらないので、すべての点を -a_0だけ平行移動して、 a_0 は原点だと仮定しても一般性を失うことはない。

そこで証明すべきする式を書き直すと、

 \det[a_1,a_2] \det[a_3,a_4] \\ + \det[a_1,a_3] \det[a_4,a_2] \\ +  \det[a_1,a_4] \det[a_2,a_3] \\ = 0

となる。*1

力技(というほどでもないが)で解いてみる。 a_i = (a_{i1},a_{i2})^{t} のように成分表示して、展開すると、

  • 第1項 =  a_{11}a_{22}a_{31}a_{42}-a_{11}a_{22}a_{32}a_{41}-a_{12}a_{21}a_{31}a_{42}+a_{12}a_{21}a_{32}a_{41}
  • 第2項 =  a_{11}a_{22}a_{32}a_{41}-a_{11}a_{21}a_{32}a_{42}-a_{12}a_{22}a_{31}a_{41}+a_{12}a_{21}a_{31}a_{42}
  • 第3項 =  a_{11}a_{21}a_{32}a_{42}-a_{11}a_{22}a_{31}a_{42}-a_{12}a_{21}a_{32}a_{41}+a_{12}a_{22}a_{31}a_{41}

となって、全部キャンセルする。

もうちょっと抽象化すると、これは Plucker 座標による Laplace 展開の特殊な場合である。4行4列の行列を

 \left( \begin{array}{cccc} a_{11} & a_{21} & a_{31} & a_{41} \\  a_{12} & a_{22} & a_{32} & a_{42} \\  a_{11} & a_{21} & a_{31} & a_{41} \\  a_{12} & a_{22} & a_{32} & a_{42} \end{array} \right)

とすると、明らかにこの行列式は0で、上の2行と下の2行について Laplace 展開を書き下せば、上記の式が得られる。

次回は3次元に拡張して、空間上の点に関する4面体の体積に関する公式を作ってみる。

*1:これで線形代数をちゃんと勉強した人はどこかで見かけた式と気づくかもしれない。