7点からなる4面体の体積に関する公式
はじめにちょっと前回の補足。証明すべき式
は
の Laplace 展開だとしたけれど、それはちょっとうそで、下の行列式を展開すると、上の式の各項が2回ずつ出てくる。全体を2で割れば等価なのだけれど、今日の話との見通しをつけるために、 に関する項が Laplace 展開の最初にしか出てこないように、
の Laplace 展開としよう。この行列式が0になるのは1行目から3行目を引き、2行目から4行目を引く行基本変形を考えれば明らか。
ちなみに
とまでしてしまうと、この行列式は必ずしも0とは限らなくなるから、公式は導けない。
さて、この Laplace 展開を拡張して、4面体の体積に関する公式を作ろう。 を3次元空間内の6点とする。それぞれを3次元ベクトルとして とあらわす。このとき、次の行列
の行列式は0である。上3行と下3行について Laplace 展開すると、次の式が得られる。
行列式 は原点と3点 のなす4面体の向きつきの体積の6倍であるから、全体を だけ平行移動すると、4点からなる4面体の向きつきの体積を Vol と書けば、
という公式が得られる。このままでは複雑すぎてややこしいので、次回はこの公式から派生するもう少し単純な公式を導く。