tkenichi の日記

毒舌皮肉系恥さらし日記

シュガーな俺

シュガーな俺

シュガーな俺

小説を読むのはとても久しぶり。下手をすると年に1作品のペースなのだが、これは一気に読めました。

作者の実体験が元になっている糖尿病小説。酒好きな主人公が糖尿病を宣告されて、治療を受け、教育入院し、退院、再び症状悪化、そして・・・というストーリー。患者の視点から病気について書いているところが面白く、主人公の周りの人物も多彩でとてもテンポがよい。

病気を宣告されたときの暗澹たる気持ち、検査の数値に一喜一憂する気持ちなどの心情描写がとてもうまく、主人公の闘病を追体験しているような気持ちになってくる。それと同時に、意外と知られていない病気の基本的な知識(糖尿病に1型と2型があることは知りませんでした)や、糖尿病食の作り方、治療方法(インスリン注射など)についての知識も知ることができるという、病気に対する啓蒙書的な面もあります。

結末は決して暗いものではないので、この病気にかかっている人にもおすすめです。