量子ファイナンス工学入門
- 作者: 前田文彬
- 出版社/メーカー: 日科技連出版社
- 発売日: 2005/04
- メディア: 単行本
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2006年日本トンデモ本大賞 を大差で受賞したそうです。酷暑で頭がとろけそうになる中、さらに頭のねじを外してしまいたいならば、ぜひどうぞ。ツッコミどころ満載です。
株価について働く力についても同じで、宇宙の進化につれてもともと1つであった力が4つに分離したならば、株式の運動メカニズムは素粒子のような極小な物質に働く4つの力を中心として考えるべきなのである。(P11)
株価はどんなに早く変動しても光速を上回ることはできないから、株価は光速の勾配が限界になる光円錐内でのみ運動する。(P30)
なぜかゼータ関数も出てくるのだが
sが12のときの分子691は、素数で素因数分解のできない類数が691で割り切れるという特別な数である。西暦691年に持統天皇が織女星と牽牛星を祭る七夕の宴が催しているから、691という数字は宇宙に関する数字かもしれない。(P33)
量子力学を株価モデルに適用して、その章の終わりに不確定性原理について述べている。
証券市場が終了すれば、株価の終値が決まる。だが、株価は明日の発散に備えて、強烈な運動エネルギーを内に秘めているのである。(P50)
量子力学を金融派生商品の価格分析に利用できるなら、メビウスの輪やクラインの壺にも例えられる解明不可能な金融市場のアノマリを解明できるに違いない。(P62)
統計的な分析手法では、回帰分析が重要である。(中略)例えば、電流の強さ(I)は電圧(V)に比例することが知られている。(P140)
シュレーディンガー方程式は、金融資産であるか量子であるか、実数であるか虚数であるかを問わず、あらゆる物質について成立する。(P151)
物理化学の有名な本を引用して、勝手に株価の話に転用しているけど、引用もとの本には当然そんなことはまったく書かれていない。
熱力学第1法則によれば、株式市場の一時点における全エネルギーの総和は一定である。(P165)
これらを総合的に勘案すると、弱い力は強い力と比較して文字通り非常に弱く、株式の運動方程式を量子化する場合、無視しても差し支えないということになる。(P181)
このような事態を考えたくはないが、ブラックホールという究極の裁定状態における金融資産の運動方程式については、稿を改めて説明しなければなるまい。(P217:本文最後の文章)
続編があるらしいです。