ガウス・ボンネの定理
とは、正則閉曲面上でガウス曲率を面積分するとオイラー標数の2Π倍になるという
有名な公式。
三角形分割された曲面でこの公式を証明しようとすると、普通は三角形ごとに積分を計算して足し合わせる。この場合はそれぞれの三角形が曲がった面だから、実際に曲率が0でないので意味がある。
三角形からなる多面体を考えると、それぞれの三角形は平面上の三角形だから、曲率は0なので同じように計算することはできない。
そこで、多面体の場合に三角形ごとではなく、頂点 v ごとに曲率を、下のように定義する。
K(v) = 2Π - v の周りにある三角形の頂点の角度の和
例えば、正4面体の場合は、各頂点の周りに正三角形が3個ずつあるのでそこでの曲率は
である。
こうして、ガウス曲率の面積分を、この曲率の値の各頂点で和をとることに置き換える。三角形の個数を T、辺の個数を E、頂点の個数を V とすれば、三角形 t の内角の和をすべて足し合わせることになるので。
となる。ここで、三角形は3辺を持ちそれらはすべて多面体上で対となっているので E = 3 T /2 であるから
となるので元のガウス・ボンネの公式が得られる。
これで多面体の頂点上の曲率が定義できたと考えてもよさそう。この定義によると例えば頂点の周りに6個より多くの正三角形がある場合は、負曲率ということになる。これを使って、
- いろいろな曲率の曲面の多面体近似を簡単に作れないかな?
- 曲率と位相の関係を記述した定理を多面体の場合に翻訳するとどうなるだろう?
なんていうことを考えると面白そう*1。
*1:多分誰か考えていそう。文献見つけたら追加します。