tkenichi の日記

毒舌皮肉系恥さらし日記

地震予知の最新科学

地震予知の最新科学 発生のメカニズムと予知研究の最前線 (サイエンス・アイ新書 39)

地震予知の最新科学 発生のメカニズムと予知研究の最前線 (サイエンス・アイ新書 39)

科学系の新書のシリーズ。内容は高校の教科書+αぐらいのレベルなので、肩肘はらずに読める。その昔地学で勉強した内容と違っているのは、阪神大震災の影響か、活断層についての記述が多くなっていること、GPSを用いたひずみの測定が地震予知に活用されていることなど。

知らなかったことは、マグニチュードの計算方法(定義)にも複数あるということ。GPSによる測定のおかげで2000年から2005年にかけての浜名湖直下のスロースリップ(100km程度の領域での20〜30cmのずれ)が起こっていることがわかったとのこと。規模としてはM7程度の相当するのだそうな。

題名にある予知についての話が一番詳しい。地下水位変化、ラドン放出、電磁波放出、発光現象や動物異常まで事例を紹介。阪神大震災のとき観測された異常現象など、科学的には解明されていないものも含めて、網羅的に記述してある。いたずらに不安をあおるのではなく、事実を整理しようとしているのは教科書的ですね。

前兆現象として井戸水の変化や、FMラジオの雑音、家屋の建てつけの変化などは、後から思ったときにそうだったのではという印象を持つのだろうけど、逆に記憶が脚色されてしまいがち。けれど、ここまで日本がブログ大国になったのだから、身近な自然現象の変化を個人単位で記録していけば、かなり地震予知のための情報になるのではないかな、と思ったのでした。