なぜ選ぶたびに後悔するのか
- 作者: バリーシュワルツ,瑞穂のりこ
- 出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン
- 発売日: 2004/10/20
- メディア: 単行本
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人生は選択の連続である。選択する権利は自由の象徴であるけれど、また一方でそれは選択しなかったものの可能性を捨て去ることも意味する。選択肢が増えれば幸せと言う考え方もあるが、果たしてそれは本当か?最高を追い求めることがどれだけ大切なことだろうか?本書はそういう問題提起をしている。決して人生訓だけではなく、心理学や意思決定論、経済学にわたる研究の内容を織り込んでいる。
最近注目されている行動経済学や、カーネマンとトバスキーの実験経済学の内容は頻繁に引用されているので、その方面に興味のある人はぜひ。
最高を求める人間マキシマイザーと、基準を満たすものなら満足するサティスファイサーの比較は、本書全体を通じて何度もなされている。無限の情報処理能力を持っている人間なら、最高のものを追い求めるのがよいが、最高のものを探すコストを考えるとサティスファイサーでもよいのではないか、と言う提言を、コストの計算だけでなく、心理的な幸福感の話を交えて展開している。
がんばっているんだけど結果(最高のもの)が出ないとか、日々の作業の無駄(探索コスト)が多いと感じている人は、それらに対するコツを身につけるのもいいけれど、この本で例示しているように考え方自体を変えた方が幸せかもしれない。