日本辺境論
- 作者: 内田樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/11
- メディア: 新書
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既に読んでいる人も多いだろうし、いろんな人が既に注釈をつけているので、今さら感は強いのだけれど、売れている本には理由がある。あまたある日本論に新たに一つ加わったというよりも、「日本論」論というか、日本人の思考パターンを論じてもの。多くの日本論が世界の中心もしくは世界標準に対するコンプレックスから端を発しているのに対し、ここではそれをあえて肯定し「辺境人」たれ、とする。辺境人であることは、学ぶ立場である限りは優位性を持つ。と言う感じで前半はなかなか面白い。
後半は話が発散ぎみ。と言ってもところどころに雑学を披露したり、うまいたとえ話があったりといった、内田節は健在。
社会科学系が専門の人が読めば、ツッコミどころ満載な感じかもしれないけれど、専門外の人が読んだときに楽しませるのはうまい。エンターテイナー。