20歳の時に知っておきたかったこと

20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義

殻を破る、挑戦する、壁を乗り越える、そのための方法論が大学で教えられるというのがいかにもアメリカ的である。その意味であまりそのような訓練を受けていない日本においては、題名にあるような20歳のときに読む本という位置づけではなくて、殻を破りたいときに読む本と考えてもいいと思う。そういう意味ではすでに倍の時間を生きている自分にとっても参考になるところは多かった。もちろんこの思考法を丸ごと取り入れるわけではないし、具体的な処方箋が書いてあるわけでもないので、あくまでもアメリカの大学での事例をヒントにして考えるためのきっかけである。

限界というのは単なる能力的なものだけではなくて、自然と自分で枠にはめていることが多いことを気づかせてくれる。これが実は社会的に課せられているルールよりも自分の行動への強制力が強いことも。ルールを破って、周囲の期待を裏切るようなことをしてみる、このことが必ずしもいい結果ばかりを生むわけではないだろうが（本の中では当然ながら成功例だけを紹介している）、新たな可能性に気づくようになるかもしれない。

リスクマネジメントに対する考え方も、リスクをどのように受け入れるか、というところからさらにもう一歩進んで、（リスクを受け入れた結果）上手に失敗するにはどうするかということに焦点を当てているところも参考になる。