階数1の行列で摂動
固有値の摂動の話の続き。今度は固有多項式を扱う。まず最初に準備から。
補題1
A を階数が1のn次元対称行列とする。このとき、 が成り立つ。
補題2
A を階数が1のn次元対称行列とする。このとき、あるn次元単位ベクトル v で とかける。
固有値が既知の n 次元対称行列 X に、階数が 1 の n 次元対称行列 A を加えたときの固有多項式を考える。X の固有値を とする。すなわち、直交行列で対角化して
とする。
X+A の固有多項式 を求める。
補題2より、 とかける。
補題1より、
以上をまとめると、
定理
n 次元対称行列 X を直交行列 P で対角化してとする。
階数 1 の n 次元対称行列を A とし、 とする。
このとき、
が成り立つ
系
ならば、X+A は を固有値に持つ