tkenichi の日記

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徹底討論!ニッポンのジレンマ

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徹底討論!ニッポンのジレンマ

徹底討論!ニッポンのジレンマ

NHKの番組の内容を起こしたもの。番組は見逃して、活字情報だけから判断しているので、微妙なニュアンスはつかみきれていないかもしれないが、議論の中から浮き上がってきた、この世代の意識には共感することがとても多い。いたずらに不安を感じたり、貧乏くじ世代などと自嘲するよりも、問題を一歩一歩解決していかなければならないと再確認した。

こういう議論で注意したいのは、「言葉」によってごまかされないようにすること。「グローバル化」や「格差」の定義すら議論の参加者で微妙なずれがある。当然解決方法も様々になり、往々にして結論は出てこない。しかしながらそういう違いを認識するということも、こういう議論の存在意義でもあると思う。

民主主義や市場経済の限界を考えさせられることが多いが、民主主義という制度自身が利益配分を行う権利を選挙で選ぶシステムであり、これは経済成長を前提に成り立っている、などの議論からこれらの関係性を改めて理解した。社会の基本システムを作り直す(OSを変える)ために何をしなければならないのかについて、選挙で選んだ政治家にそれを委託して、結果を否定して政権をころころ変える、その繰り返しよりも、政治の外側にいる市民の側から国に提案して行くという方向性に可能性を感じた。また、われわれの意思決定で無意識のうちに国が無限の財布を持っているように思ってしまうことや、良かれと思って判断したことが自分たちの世代に損になることがあることなど、民主主義の枠組みの中での意思決定の難しさも再認識した。

論者の中で共感を得たのは二人。萱野氏の意見にジレンマから脱却する道筋が見えてきたという点で賛同したいことが多かった。飯田氏の意見は論理的で、キーワードにごまかされずに根本から議論を進めていくという意味で新たな視点を得ることが多かった。

論者たちの責任ではないのだが、本来なら世代的に国家の中核を担っていくべき世代がマイノリティであると自覚していて、自分たちの意思が国に反映しにくいと考えている、というのはやっぱりどこかおかしい。