この世で一番面白いミクロ経済学
この世で一番おもしろいミクロ経済学――誰もが「合理的な人間」になれるかもしれない16講
- 作者: ヨラム・バウマン,グレディ・クライン,山形浩生
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2011/11/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ほとんど漫画なので、あっという間に読めてしまうが、ポイントはおさえていて大事なことは頭に残る。はじめにミクロ経済学の教科書があってそれを漫画化したのとは違う。漫画ということを前提に、どうすれば面白く表現できるかを最適化した結果がこのテキストだと言っていいと思う。
普通の教科書だと、用語の定義や経済の法則の説明の羅列的になるところ、ここではミクロ経済学の大きな問題
個人にとっての最適化の結果が、集団全体にとってもよい結果になるのはどんな場合?
に取り組むための手段として、いろいろな理論が説明されていくので、知識が断片的にならず、問題意識を持って読み進めることができるのがすばらしい。特に「コースの定理」と需要供給曲線と限界費用と限界便益の曲線との2面性の説明はとてもわかりやすい。
理論的な内容を説明するときはどうしても一歩ずつ定義的な説明をしてしまいがちになるが、うまい比ゆと図式を使えば、すぐに本質へたどり着くことができる。自分が書く立場になったときにも参考になりそう。