2014-07-30 振り子と楕円関数 Math 単振り子は振幅が大きくないときには、単振動とみなすことができると考える。振幅が大きいときは楕円関数で記述され、周期は完全楕円積分で表すことができる。以下に簡単にまとめておく。 単振り子の運動方程式の導出 長さlの糸の先に質量mのおもりをつける。糸の固定点を原点、水平方向にx軸、鉛直方向にy軸を取って、鉛直方向からの糸のなす角をθとする。時間に関する微分を変数の上にドットをつけて表す。質点の座標 (x,y) と角θの間の関係式は、 から が成り立つ。糸の張力をT、重力をgとすると、それぞれの方向の運動方程式は となる。上の関係式からθの微分方程式にすると になる。ここで とした。 振幅の大きいとき 振幅が大きいとき、 という近似を行わずに計算する。 の両辺に をかけて変形すると の最大値(すなわち振幅)をとすると、のときなので、 の範囲で を得る。ここで、 とおいて、で変数変換すると、 より を得る。もとの微分方程式に変数変換を適用すると となって、両辺を積分すると、第1種楕円積分を用いて が得られる。kを母数とする第1種楕円積分の逆関数、Jacobiの楕円関数を用いて が得られる。 単振り子 単振動 振幅 方程式 t=0のときの解 t=0のときの導関数 周期