衝突の復習
古典物理学で衝突を記述する場合、重心座標系で考える場合が多いが、鏡映変換のアイディアを用いると比較的わかりやすい。鏡映変換とは、 に直交する平面を鏡として、鏡に映る像を与える写像である。
が単位ベクトルの時には、より単純に と書ける。
それぞれの質量が の2つの物体が衝突したとき、前後で運動量 の和と運動エネルギーの和が保存するとする。このとき、
が成り立つので、相対速度の絶対値も保存することに注意する。
衝突によって変化する方向の単位ベクトルを とする。鏡映変換と同様に 方向成分だけ変化すると考える。それぞれの係数が符号だけ異なるとすると自動的に運動量保存は満たされるので、運動エネルギー保存の式から係数を決めればよい。衝突後の運動量を とすると以下のようになる。
これを写像で とすると、簡単な計算で
がわかる。これはいわゆる逆衝突の存在を表している。
ちなみに、剛体球の衝突の場合、2つの球の中心を結んだベクトルを正規化したものが になる。