空間情報科学の挑戦
- 作者: 岡部篤行
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2001/08/22
- メディア: 単行本
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2001年発行。Google Maps の登場ですっかり状況は変わってしまって、GIS とインターネットの融合や、ビジネスへの応用などは2001年からはかなり進んだなあというのが実感。
前半はいわゆるGISの基礎理論の説明。GPSの仕組みや画像認識、地理情報(点と線と面の関係など数学的なところ)の管理、ボロノイ図の説明とその応用など。コンパクトにまとまっていてよい。私はボロノイ図には慣れ親しんでいるから、違和感は感じないが、ちょっと初学者にはわかりにくいかもしれない。別の本で補うといいかも。
「コンピュータ上で策を練る」で保育園の配置問題に応用していて、トピックとしてなかなか面白かった。せっかくインフラが整ってきたので、行政がこんな風にうまく利用して効率いい社会を作ってくれないとね。
空間上共通通信言語のG-XMLの紹介も少しだけしてある。検索してみるとわかるが、これを応用したサービスは今や乱立状態。Google Maps 後の空間情報科学の現状を概説する続編を強く希望。