tkenichi の日記

毒舌皮肉系恥さらし日記

本当にあった嘘のような話

本当にあった嘘のような話―「偶然の一致」のミステリーを探る

本当にあった嘘のような話―「偶然の一致」のミステリーを探る

  • 作者: マーティンプリマー,ブライアンキング,Martin Plimmer,Brian King,有沢善樹
  • 出版社/メーカー: アスペクト
  • 発売日: 2004/08
  • メディア: 単行本
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前半は偶然の一致を巡るなぞを様々な視点から考察。なぜ偶然の一致を好むのか。それに遭遇したときに人はどんな態度を取るのか。自然科学における偶然としか説明の付かない現象。偶然を装うトリック。などなど。

後半は古今東西の偶然に関するエピソード集。どちらを面白いと思うかは人それぞれだろうが、私は前半に比べて後半は冗長で、退屈だった。まあ、いくらドラマチックな偶然でも、それを何百も続けて見せられると食傷してしまうのは仕方ないな。

クリス・フレンチ教授の研究の引用で「自分は運がいいと思って暮らしていれば、それだけ進んでリスクを冒しますから、いいことが起こりやすいものです。心配ばかりして用心深く生きるよりも、人生からずっと多くのことを得られるわけです。これはばかげた思い込みが精神の健康につながることを示すいい例だと思いますね」とあるが、確かに冷静に解釈するよりも、偶然の一致を楽しむ方が豊かな人生を送れるような気もする。

ただし心理学の言うところの「アポフェニア」によって、何もないところに意味を感じてしまったり、「集合的無意識」のために同じ結論にたどり着いてしまうということもあるので、偶然の運命性を無邪気に信じるのはあまり知的ではないような気もするのだ。