いいたかないけど数学者なのだ
- 作者: 飯高茂
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2006/12
- メディア: 新書
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代数幾何学で有名な飯高先生の本。まとまりがない。正直言って、編集・企画の失敗だと思う。
専門書や「数学の楽しみ」でのエッセイや岩波の小平先生の本の中での対談など、著者の他の文章は結構面白いし、この本も章によっては面白いんだけど、数学者の一般と違うものの見方の面白さを紹介しているのか、数学少年に対する叱咤激励なのか、数学に苦手意識を持っている人のための啓蒙書なのか、ターゲットが分からない。残念な本になってしまっているような気がする。第2章のS君の読書ノートは確かにこのように出版物として世に出すことの意義はあるだろうし、確かに読んでいて面白いのだけれど、せっかくならこの章を膨らませて、小説案内、数学的な補足、数学史的なエピソードなどを交えたらよかったのにと思います。