tkenichi の日記

毒舌皮肉系恥さらし日記

整数の分割

整数の分割

整数の分割

  • 作者: ジョージ・W.アンドリュース,キムモエリクソン,George W. Andrews,Kimmo Eriksson,佐藤文広
  • 出版社/メーカー: 数学書房
  • 発売日: 2006/05
  • メディア: 単行本
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若かりしころは、がちがちの抽象的な数学が面白かったのですが、歳を重ねるにつれ具体的な問題のほうが面白くなってきました。これは整数の分割という非常にプリミティブな題材が、どのように展開していくかを述べた本です。

整数の分割というのは、4=2+1+1 のような正整数を1つ以上の正整数(和因子)の和に分ける方法のことなので、誰にでもすぐ理解でき、ヤング図形(この本ではフェラーズグラフと呼んでいる)で図式で考えることもできます。最初に出てくるのはオイラーの恒等式「和因子がすべて奇数の整数の分割の個数=和因子が相異なる整数の分割の個数」で、その初等的証明から、ロジャース=ラマンジャン恒等式の紹介、母関数の話と続きます。q-2項係数の話などは式変形がかなり複雑になってきますが、それでも代数系や関数論の話をできるだけ使わずに議論しているので、初学者でも式を追いやすいと思います。

で、私はこれをプログラミングのネタとして読んで、いろいろ実験して遊んでいたのですが、そのときに整数の分割のイテレータを作ってみました。あまりちゃんと考えていないので、n が大きいときに遅いのはご勘弁ください。

整数の分割イテレータ

これでどうやって遊ぶかは、また後日。