ピーターの法則
- 作者: ローレンス・J・ピーター,レイモンド・ハル,渡辺伸也
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2003/12/12
- メディア: 単行本
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「階層社会学」の世界で最初の文献。
なんてアカデミックな本を想像してはいけません。パロディかと思わせる軽快な口調で、組織論を一刀両断。パオロ・マッツァリーノの本が好きな人には楽しめると思う。
曰く、
ピーターの法則:階層社会では、すべての人は昇進を重ね、おのおのの無能レベルに到達する。
また曰く、
ピーターの必然:やがてあらゆるポストは、職責を果たせない無能な人間によって占められる。
なぜ世界に「無能」がはびこっているのかについて、「ピーターの法則」という答えを提示し、それを検証していく。事例が身近に感じられるものが多くて、面白い。教師、教科主任、教頭として優秀だった先生が校長にまで昇進したときに校内の運営やお偉方との一緒に仕事をする能力に欠け、無能が露呈する例。無能な人々が昇進して行き場がなくなり、副社長ばかりが増える例。
無能に到達した人=終点到達者を見分ける方法、というのもまた面白い。電話依存症、自己憐憫症、などの、自分の無能を言い訳する人はどこでもいそう(自省しよう・・・)。政治家や大学の学長によくみられる、建造物執着症というのもありそうな話。
では、ピーターの法則に陥らない方法は?というと、著者は創造的無能として、上手に昇進しない方法をいくつか紹介しています。なるほど。処世術としてはありかもしれません。
ブラックユーモアが好きな人にぜひ。