ベイズな予測
- 作者: 宮谷隆,岡嶋裕史
- 出版社/メーカー: リックテレコム
- 発売日: 2009/03
- メディア: 単行本
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概説的なこと、歴史的なことはいろいろまとめてあるのだけれど、理論の説明が物足りない。おもちゃのような例題から数式をすっ飛ばして、応用に行っている。計算はベイズの定理に数字を当てはめて数値を出しているだけ。DNA判定での有罪の確率を有効数字31桁の小数で表現しているところなどに、ちょっと違和感を感じてしまう。ベイジアンネットや隠れマルコフモデルについては、あまり説明はなくイメージだけ。
察するに、ターゲットは理系の研究者ではなくて、経営やマーケティング系の実務の人向けなのだろう。最後の章は Excel でアドインを使ってのナイーブベイズの計算の仕方だ。今まで buzz word としてのベイズしか聞いたことのない人が、少しでも実務に使うようになれば、この本の目的は達せられたことになるのだろう。ただし、浅い理解でパッケージソフトに頼って計算をした結果失敗するという、典型例な例に陥らないように。