所有と国家のゆくえ
- 作者: 稲葉振一郎,立岩真也
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2006/08
- メディア: 単行本
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社会のデザインをもう一度考えてみたくて手に取った本です。知らず知らずのうちに自明だと思っていた前提条件をもう一度再検討しているのは、いい意味で学者的ですが、読み手としては考え直すきっかけを与えてくれる点で、とても刺激的な内容でした。
所有すること、取引すること、分配すること、平等とは。社会学の人はそこから考え直すのか!って感じです。これらの現在の社会での実装は自明ではなく、別の実装もあるし、別の設計もあるということ。ただし人間自体もそのシステムで便利なように変わってしまっているので、いまさらシステムを大きく変えるのは難しい。みんな自給自足せずに、市場で取引して生きているわけで、取引の概念を再定義して社会の仕組みをひっくり返すわけにはいかない。
平等について、自明の概念ではなくて嫉妬という感情から社会の混乱を避けるために作り出された仕組み、だとすると、別の設計もありうるのかもしれない。
うーん、やっぱり難しい。いつもこういうことを考えていて、頭の中に回路ができている状態でないと、理解するのは大変だ。