tkenichi の日記

毒舌皮肉系恥さらし日記

余次元1のRayleigh商

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階数1の行列で摂動したときの固有値の変化についてはすでに述べたので、今度は余次元1の射影の場合を考える。摂動の場合は行列の足し算であり、射影によって行列は射影行列の相似変換になるので、同じような議論ができるわけではない。ほとんど初歩的な計算ですぐわかる結果を列挙することにとどめる。

補題1

 R を余次元1の射影演算子とする。 R = 1 -ww^{T} とかける。このとき  w R が与える余次元1の部分空間の直交補空間の基底である。 R は、余次元1の直交フレーム  Q を用いて  R = QQ^{T} と書ける。

補題2

対称行列  X を余次元1の部分空間に制限した線形写像は、その直交フレーム  Q を用いて  Q^{T}XQ とあらわせる。このとき、 \beta = w^{T} X w とすると、

 \mbox{trace}(X) = \mbox{trace}(Q^{T}XQ) + \beta

が成り立つ。

補題3

射影演算子  R を用いて  R^{T}XR を考えると、 R^{T}XR固有値 Q^{T}XQ固有値 0 であり、 w 0固有ベクトルになる。 v w と直交している  X固有ベクトルならば、 R^{T}XR固有ベクトルでもある。


次元を1小さくすると、trace が  \beta だけ小さくなるので、それぞれの固有値がどれだけ小さくなるのかを  \beta と直交補空間のベクトル  w で評価できればうれしいのだが。。。