7点(と6点)からなる4面体の体積に関する公式(その2)
前回導いた公式の派生系をいくつか作ってみよう。
前回と同じように、 を3次元空間内の6点として、それぞれを3次元ベクトルとして とあらわす。Laplace 展開の対象を変えて、次の行列
を考える。この行列式も0になる。なぜなら下3行で上3行を掃き出せば、上3行は2列だけが非零になってランクが2以下になるからである。さて、この行列を上3行と下3行で Laplace 展開すると、次の式が得られる。
ずっと単純になった。つまり昨日の公式で現れた10項のうち最初の4項だけ取り出しても 和が 0 になる(当然後の6項の和も0になる)ということ。公式としてはこちらのほうが強い。下3行の1列目と2列目を0にして導いたが、任意の2列を0にして同様の公式が導ける。
全体を だけ平行移動して、4点からなる4面体の向きつきの体積に関する公式として書き下すと、
という公式が得られる。
ちなみに残りの6項の和が0となるという公式は
の Laplace 展開から得られる。
派生系としてもう1つ、 のうちの2点が一致してしまっている場合を考えよう。例えば とすると、
となって、体積公式としては(点の順番を整理して)
となる。次回はこれを応用して空間図形の問題に適用する。