tkenichi の日記

毒舌皮肉系恥さらし日記

暴走する「地球温暖化」論

暴走する「地球温暖化」論―洗脳・煽動・歪曲の数々

暴走する「地球温暖化」論―洗脳・煽動・歪曲の数々

地球温暖化に疑問を持つ論者の論考・対談集。副題に「洗脳・煽動・歪曲の数々」とあるけど、期待していたほどラディカルではなく、地球温暖化論に対する問題提起や、温暖化危険論者の発言や書籍へのツッコミ程度。科学的なデータで論証しているわけではない。データの解釈に強引なところもあるので、論争としてはどっちもどっちという気がするが、温暖化問題を政治的に過大評価して、無駄遣いをしているという可能性は高いと思う。前書きにもあるように、確かに温暖化対策に国費1兆円は使いすぎでしょう。メディアは「省エネは良いこと」「エコは良いこと」という一元的な価値観しか報道しないから、どれだけお金使っても批判されないのかな。

正しいかどうかは別にして、本書で取り上げられている面白いデータをメモ。

  • 10世紀から13世紀は地球の気候は今より高く、14世紀から19世紀後半まで寒冷化された時代が続いた
  • ツバル諸島の海面もここ25年変化なし
  • 海面の水温の変化が起こってから、それに連動する形で大気中の二酸化炭素濃度が変化している
  • 個別の製品や行動を省エネルギー化すると、国全体では物質生産の量的拡大をもたらし、エネルギー消費量を増大させる
  • キリマンジャロの雪が激減したのは気温上昇ではなく、太陽熱による昇華である


不都合な真実」のアル・ゴアノーベル賞を取ったりして、全世界的に地球温暖化危機説が信じられ、京都議定書を批准していないブッシュ政権が非難されているようだが、欧米にはいろんな立場があって、

  1. 二酸化炭素による温暖化論を主張し、このままでは危険だ
  2. 温暖化そのものが実際に起こっているのか疑問である
  3. 温暖化は事実かもしれないけど、二酸化炭素ではなく太陽の黒点や他の要因による
  4. 温暖化が生じても地球全体から見ればプラスの面が多い


という立場があるのだそうな。

この本にはほとんど触れられてなかったけれど、

仮に地球温暖化を防ぐことが良いことで、それは温室効果ガスの濃度を増やさないことで実現されるとしても、その排出権取引でそれは実現できるのでしょうか?机上の単純化した市場のモデルでは正しくても、実際にはどうなのでしょう?そういうモデル自身の不確実性のリスクは正しく評価されてるのだろうか。動いているお金の大きさを考えると、そんな不確実なことをその値段で取引していいのかと思ってしまう。

温暖化の危機よりも、排出権取引市場の破綻による金融市場への影響の方が、危機としては大きいのでは、と考えるのはひねくれていますか?

今年の冬は寒かった。