More Joel on Software
- 作者: Joel Spolsky,青木靖
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2009/04/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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The Best Software Writing I を読んでから1年後、知人にも薦められた Joel の新刊が書店に平積みされていたので読んでみました。
コーディングよりもむしろマネジメントについてかかれている章が多いのは、著者の立場の変化を物語っているのかもしれないし、読者からすると、同世代人として自分の考えていること悩んでいることを、識者がどう考えているかを知ることができてとても有益。
今まで自分が持っていなかった視点としては、
- ポインタと再帰を理解できない学生をふるい落とすために、コンピュータサイエンスの授業は Java ではなく C や Scheme を教えるべき
- Evidence-Based Scheduling の有効性
- ヒットエンドランマネジメントがいかにダメか
など
「ヒットエンドランマネジメント」とは、マネージャがどこからともなく現れて、ごく小さな問題についてマイクロマネジメントし、その問題について何週間も作業していた高度な技術的資質を持つ人々の選択を踏みにじること。よくいますよね、何週間かに一度、思い出したようにプロジェクトに口を出して、何か指示を出すことによって管理をしているという自己満足を得る人が。どんな組織でも、管理者(上司、教授)よりもその担当者(部下、学生)の方が情報をたくさんもっているのにもかかわらず、それが尊重されないことが往往にしてある。
第22章の Can Your Programming Language Do This? は今まで読んだ中で一番やさしい MapReduce の説明。関数プログラミングがなぜ重要かが分かると思う。