Courant の min-max 原理を見直してみる
n次実対称行列Aの固有値をとする。Rayleigh 商をとおいたときに、
がいわゆる min-max 原理である。ここで最初の最大、最小をとるのは、n次元ベクトル空間のk次元部分空間なので、Grassmann 多様体上の最大、最小と考えてよい。ここではもう少し明示的に、部分空間の正規直交フレームを与えるとして、Stiefel 多様体上の最大、最小と考えてみる。Stiefel 多様体は、k個の正規直交するベクトルを並べて の行列と考えることができるから、
と書ける。このとき、y を k 次元空間のベクトルとして、
である。そこで、固有値問題を解くための数値解析法を Stiefel 多様体上の(離散)力学系のように解釈しなおしたら面白いのではないだろうか?