メッシュ
- 作者: リサ・ガンスキー,実川元子
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2011/02/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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メッシュとは著者が命名した新しいシェアビジネスの仕組みのこと。古典的なシェアの仕組みとしては、ホテル、地下鉄、図書館などがあるが、ここではモバイルネットワークやソーシャルネットワークの仕組みを利用した新しいシェアビジネスの仕組みのことを言っている。典型的な例がカーシェア。レンタカーとの違いは、特定の場所に行って車を借りるのではなく、至るところに車があって、好きなところで利用できるということ。すべてをシェアするのではなく、価格が高くて使用頻度が少ないものをシェアするという考え方である。
もちろん、成功した事例について説明しているので、たまたまうまく行っただけだという批判もあるだろうが、人々の価値観から所有よりも共有(モノだけでなく体験も)を重視するようになってきているという変化もあるのだろう。シェアビジネスを体験して、その良さをソーシャルネットワークで表現する人たちがいることで、メッシュビジネスはよい循環を生んで発展していく。
ちょっと変わった例も紹介されていて、ワイン作りをシェアするクラッシュパッド、プロジェクトへの少額投資を仲介するキックスターターなどは、厳密にはメッシュビジネスではないのかもしれないけれど、面白い試みだと思う。
最後の方は、メッシュビジネスを始めてみようとする人のためのガイドになっている。それ以外の多くの業界でも当てはまることが多くて参考になった。
数年前、情報が偏在化したユビキタス環境が実現すると言われた時に、それがシェアビジネスを変えるということに私は気付かなかったが、テクノロジーだけを見ていてはわからないということか。