複雑ネットワークの科学
- 作者: 増田直紀,今野紀雄
- 出版社/メーカー: 産業図書
- 発売日: 2005/02
- メディア: 単行本
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まだななめ読みしかしていなくて、数式や証明は全部追えていないのだが、かなりよい本。現時点でネットワーク関係で知りたかったことの大半がこの本の中で見つかりました。この分野の日本語の専門書でおそらく一番新しいと思われる。
- グラフ理論の基本と、複雑ネットワークで関心のある指標(平均頂点間距離、クラスター係数、次数分布)の定義とその計算の仕方
- WSモデルの作り方と性質、指標の近似計算
- BAモデルとその解析
- 適応度モデルとその解析
- 頂点非活性化モデルとその解析
- 階層的モデルとその解析
- 閾値モデルとその解析
- ネットワーク上のパーコレーション
- コンタクトプロセス
- ネットワーク上の結合振動子
など。非常にプリミティブなところから説明してあるが、簡潔な説明で最新の研究成果までたどり着いている。参考文献の紹介も詳しい。
個人的には、複雑ネットワークの分析にどのように統計力学の手法が使えるのかに興味があったのだが、適応度モデルのところに説明してあるボーズ・アインシュタイン凝縮とひとり勝ち現象の対応など(統計力学よりも量子力学かもしれないけど)が非常に興味がわいてきた。実は難しいので、まだあまりよく理解していないんですが。